3G回線でのIP電話利用と音声品質について

携帯の3G回線でのIP電話利用

以前、各キャリアの3G回線でソフトフォンを試して通話ができなかったのは、キャリアがSIPプロトコルを遮断しているわけではなくて、stunサーバーの設定などで回避できるようになった。
実際に通話を試していて、電波状態が3本たっているときなら問題なく通話できるが、電波が悪くなるとザッザッザと音が途切れ途切れになる状態だった。

u-low(一般的なコーデック)

一般的に使われているu-Law(G.711)というコーデックで試していて、u-Lawは、64kbpsを使用するため、IP通信のオーバーヘッド23.2kbpsとあわせるとおおよそ100kbpsを使用する。そのため、通話に100kppsを安定して使えるネットワークでないと、音質が悪くなる。と解釈している。
Formが6月に14MBpsのハイスピード回線を開始するというので、期待して使ってみたところ、実際には(全体の帯域使用量が多くなってるからか)1MBpsもなく、数百キロBpsが通常で、SIPを試したところ、だいぶ通話しやすくなった気がするものの、まだ時折通話が途切れ途切れになる状態だった。どのソフトフォンを使っても変わりはないようだったので、さらにキャリアの回線が太くならないとソフトフォンを3Gで安定使用するのは難しい、という認識だった。

G.729( 圧縮率の高いコーデック)

NTTComunicationがiPhone向けにリリースしている050plusは、やたら評判がよく、3Gでも問題なく通話できるというので、なぜなのか気になって調べてみた。
どうも、コーデックにu-Lawではなく、G.729を使っているようだった。G.729は、u-Lawの64kbpsに比べて8kbpsしか使わず、IPオーバーヘッドの23.2kbpsとあわせても31.2kbpsで、FOMAと同じレベルの通話品質になるらしい。G.729は複数の特許がはいっているため勝手に使えないコーデックだが、これを使うことで3G回線でも問題ない音声品質になる可能性があるらしい。

参考:Skypeの独自コーデック SILK

ちなみに、Skypeは独自のSILKというコーデックを使っており、サンプリング周波数が可変なものらしい。Wi-Fi環境ではSkypeが1番音質がいいといわれているのも、u-LawやG.729の64kや8kよりも帯域を使って情報量を多くしてるからだろう。